企業分析

【2020年最新】内資系製薬会社 将来性ランキング-売上高総集編-

内資系製薬会社の将来性ランキングを売上高前編・後編に分けて解説してきました。

ここまで読まれた方は結局どの企業が良いの?将来性ある企業はどの製薬会社?と思われているのではないでしょうか。

「売上高」と「年平均成長率」を掛け合わせることで一つの答えを示したいと思います!

過去の将来性ランキング記事をまだ読んでいない方は下のリンクからご一読ください。

一気に将来性ランキングを知りたい方はこのまま読み続けて頂ければよい思います。

過去記事:【2020年最新】内資系製薬会社 売上高ランキング-前編-

過去記事:【2020年最新】内資系製薬会社 売上高ランキング-後編-

内資系製薬会社将来性ランキング「売上高」×「年平均成長率」結果

早速ですが、将来性ランキング結果発表です。

売上高と年平均成長率(CAGR)の順位をポイント化し数値の小さい順にランキング化しています。※合併の影響を除くため、武田薬品工業は2016年から合併したものとし算出

1位:武田薬品工業

売上高の修正を行ったことにより、CAGRは低下しましたが最終順位は1位を堅持しました。この10年の間にはCASE-J問題や、同社初の外国人社長が誕生するなどかつてないほどの変化がありましたが、長年築きあげた武田ブランドは健在です。売上規模からみた将来性は安定感があるといえます。

1位:大塚HD

独自のポジションを築きあげたことで成長を遂げ、同率1位となりました。創業以来着実に伸ばしてきました。一般消費者にも認知率が高い企業でもあり、事業ポートフォリオも複数保有していることから将来性も期待ができます。

3位:エーザイ

抗がん剤の飛躍が大きく起因しました。売上規模は過去最高にチャレンジしている最中ですが、認知症治療薬の開発結果次第では、一気に将来性ランキングで1位に躍り出る可能性を秘めた企業といえます。

3位:中外製薬

同率3位となりました。特に年平均成長率では唯一二桁となり、強さをみせています。今後大型製品の特許切れがあり、チャレンジングな時期も訪れると予想はされていますが、同社の営業体制にテコ入れをするなど、将来に向けた改革をすでに行っています。準備万端といったとことでしょうか。

5位:アステラス製薬

売上高でこそ3位を堅持していますが、成長率では少し陰りをみせています。しかしながら、新しい事業モデルも先んじて挑戦している企業でもあり、当面は売上を維持しつつ将来に向けた投資も行っていくものと思われます。

5位:第一三共

同率5位です。売上高1兆円の壁を越えられずにいますが、同企業は他社と比べても安定感は高いといえます。この先も新製品は順調に上市されることが予想されており、将来性と安定感がある企業だといえます。

5位:大日本住友製薬

こちらも同率5位です。海外戦略に活路を見出し、成長を続けてきました。大型製品の米国特許切れにいかに対応できるかが、将来を握るカギとなります。IPS細胞治療にも期待されます。

8位:田辺三菱製薬

新薬開発、訴訟による影響もあり厳しい局面に入っています。向こう数年は厳しいことが予測されます。三菱ケミカルホールディングスの完全子会社化を契機に、変革を遂げる必要があります。

9位:塩野義製薬

感染症領域の独自戦略で脚光を浴びましたが、数値をみると厳しさが伺えます。競合が少ない領域にポジションをとっているので、開発次第では再び成長軌道に乗せることができるでしょう。向こう数年間の見通しとしては横ばいから微減が予想されます。

10位:協和キリン

総合評価では10位に位置しました。現時点では厳しい状況にあるといえます。独自性をいかに実現していくかが将来に向けた課題となるといえます。

 

参謀侍の解説

売上高ランキングでは「売上高」と「年平均成長率」を元に内資系製薬企業上位10社をランキング化した。

結果はご覧いただいた通りだが、どのような印象を持っただろうか。上位企業は向こう10年を見据えても将来性ありと判断できるが、その他企業はかじ取りが難しい局面にあることがわかるだろう。

これの意味するところはかねてより製薬業界は安定的、将来性の高い業界の一つであるといった神話が崩れ始めているということである。

7/9には米IQVIA社によるレポートで、日本医薬品市場が5年平均成長率で初のマイナスに転落したことが報告された。非常にショッキングなニュースである。

参照:https://answers.ten-navi.com/pharmanews/18738/ 

AnswersNews 日本の医薬品市場、5年平均成長率が初のマイナスに

しかも主要14ヶ国で雄一のマイナスである。当面大きく減少することはないとされるが、その反面成長することもないと予想されている。

つまり、日本企業が成長を遂げるためにはグローバルマーケットをより色濃くした戦略が必要となる。上記の大日本住友は海外に舵をきったことで、難局を乗り越えてきた。すでに海外売上高比率が50%を優に超えている。

国内では堅実に経営を進んでいき、主戦場は海外に移す動きは加速していくだろう。企業を調べるときにはその点をどのような戦略をとっているか注意深くみていくとよいだろう。

他方、製薬企業が医薬品を超えて、どのような新しい価値を世の中に提供していくのか注目していきたい。