この記事の読者は製薬会社のMRの方が多いのではないでしょうか?おそらく今の状況では病院に訪問できずにいるのではないかと思います。こういう時だからこそ業界全体・個々の企業を理解する時間に使いたいものですね。
今回は中外製薬を特集します。業界の方からするとがんのイメージが強いと思います。知れば知るほど興味深い企業ですよ。個人的には常にインターハイベスト8に入る古豪ってイメージを勝手に持っています笑
目次
中外製薬株式会社基本情報
売上収益 6,862億円
営業利益 2,249億円
当期利益 733億円
従業員数 7,384人(連結) 4,856人(単体)
平均年齢 43.0歳 平均年収 983万円
中外製薬ってどんな製薬会社なの?
「創造で、想像を超える。」最近CMでこのフレーズを聞くことがあるのではないでしょうか?中外製薬は今までにはない革新的な新薬を患者さんに届けてきた医療用医薬品に特化した製薬会社です。
日本の会社としてさかのぼること1925年に中外新藥商會として創設されました。2002年にはスイスRocheグループと戦略的提携を結び傘下に入りました。しかしながら、東証一部上場は維持し経営の独立性は保たれています。
がん領域・骨・関節領域/ 自己免疫疾患領域 ・腎領域・その他領域の医療用医薬品を開発、販売しています。
自社開発製品のロイヤルティ収入もあり、非常に高い利益率を誇っています。
特徴はなに?
国内企業の中でも先行してがん治療薬の開発に注力してきました。その結果2008年以降11年続けてシェア1位を維持しています。また抗体医薬品分野では国産初の化合物を創製しました。
Rocheとの戦略的提携によりグローバルのネットワークを獲得し、自社開発品の導出、グループ製品の導入が容易となり売上規模拡大に繋がったと考えられます。
元々製薬業界は利益率が高いですが、そのなかでも指折りの収益性を誇っているといえるでしょう。まさに今は絶好調な時期ですね。
Roche社開発のインフルエンザ治療薬が導入されたことにより多くの日本人が助けられたことでしょう。
外資系企業に分類はされますが、企業文化は旧来の日本式が残る比較的体育会系な風土がある?と聞きます。
一方で時代に合わせた働き方は徐々に進んでいるようです。女性管理職率、男性の育児休暇取得率などまだまだ改善の余地はありますが、人事制度も次世代のモデルに変更していることから改革の途中といえるでしょう。
参謀侍の目
中外製薬は国内製薬会社の中でも先進的にがん領域の開発に取り組んできた。Roche社との戦略的提携独など独自のポジショニングを築き上げおり、競争力の高い製品を生み出しています。
昨年大型製品の血友病A治療剤を発売したことも今後の成長ドライバーになると予測されます。旧シャイアー社との激しい戦いになることが予測されるこの領域ですが、薬剤のポテンシャルでは競争力が高いとの声も聞こえているところです。
これまで独自のポジションを築き上げきた中外製薬ですが、最大手グループの背中が見えつつあるのではないでしょうか。
医薬品市場は横ばいから減少が予測されています。これまでは順調に革新的な製品を生み出してきました。さらなる成長を期待できる会社だといえるでしょう。
参謀侍の紹介>
通信企業でIT営業に携わる。その後ヘルスケア業界にキャリアチェンジしMRを10年間経験。メンバーの育成やプロジェクトの運営などを行う。経営知識を生かしヘルスケア企業の分析や将来の動向を独自路線で読み解く。
最初の記事:参謀侍が見た製薬会社の動向と将来性#1 “武田薬品工業”
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