企業分析 製薬企業

参謀侍が見た製薬会社の動向と将来性 “武田薬品工業”

投稿日:2020年3月2日 更新日:

過去ブログ記事「製薬企業の今」をリニューアルし、ヘルスケア企業の今を読み解くと題し様々なヘルスケア関連企業の今を解説していこうと思います。

ではスタートはやはりこの企業。武田薬品工業で言わずもがな国内製薬会社ではNo.1企業です。内容は刷新されていますので、是非ご一読ください。

 武田薬品工業株式会社基本情報

売上収益 32,912億円 

営業利益 1,004億円 

当期利益 443億円

従業員数 49,578人(連結) 5,291人(単体)

平均年齢 41.5歳 平均年収 1,094万円

武田薬品工業ってどんな製薬会社なの?

1781年に武田長兵衛が創業された歴史ある企業です。医療用医薬品を柱に一般用医薬品を販売し、グループ会社に運送業、不動産業なども含まれています。

長年日本の製薬業界をリードしており、近年アイルランドのシャイアー社を7兆円にも及ぶ大型買収を完了しグローバルでもTOP10に仲間入りしました。今まで数多くの企業を買収しましたが、Takeda ismは引き継がれ社名も変わらずにあり続けています。

医療業界では知らない人はまずいません。医師の中に武田の薬を処方したことがない方はいないのではないでしょうか?それくらいの歴史と伝統がある企業です。

一方で近年世の中の変化に合わせた構造改革を行っています。2014年には初の外国人社長を迎え入れ、現在のエグゼクティブチームには日本人は19名中4名のみとなっています。従来の伝統的な日本的経営からの変貌を遂げている最中といえるでしょう。

特徴はなに?

10年程前までは高血圧や糖尿病などの生活習慣病の治療薬に強みがありました。現在は事業戦略上、ビジネス領域を主要5エリア(消化器系疾患・希少疾患・血漿分画製剤・オンコロジー・ニューロサイエンス)に再編し、競争力を強化しています。特に潰瘍性大腸炎治療薬が世界でも飛躍的に売れています。

シャイアーと合併したことにより、希少疾患・血漿分画製剤領域にもプレゼンスが高まりました。事業領域を絞ったことにより研究開発力の向上が期待されています。また北米販路の拡大も見込めることから持続的成長も期待したいところ。

参謀侍の目

数年前には業界に激震が走るできごとがありました。CASE-J試験による誇大広告です。このできごとは業界全体、武田薬品自体も大きく変わるきっかけとなりました。この問題自体は決して許されるものではないですが、結果として企業と医療業界の透明性が広がりより適正な世の中になったのではないでしょうか。

研究開発面では長年大型製品が生まれず厳しい時期が続いていました。しかし、社長がかわり大きく舵を切ったことで競争力が高まってきているように感じます。

一方で、旧シャイアー社の血漿分画製剤にとって脅威となる製品が誕生しているのも事実です。現在の製品価値を最大化し、いかに早く負債を返すか、残りの時間はあまり長くないかもしれません。

注目点はオープンイノベーションを促進する湘南アイパークを設立したことです。これからの時代は一つの企業の枠にとらわれず、能力のある企業同士で協力することで日本発のイノベーションが生まれるのではないでしょうか。日本の未来のために羽ばたくことを期待しています。

働く魅力はなんだろう!?

数年前の問題をきっかけに労働環境が大きく変わっています。当たり前ではありますが正しいことをする、それを実践していると言えます。コロナウイルス騒動でも業界でいの一番に在宅勤務を取り入れました。有休消化率も高くワークライフバランスの高い企業です。

グローバル基準に合わせているため、ある意味外資系企業のような雰囲気もあります。

また近年優秀な人材が以前にも増して多く集まって来ています。グローバルかつ業界No1.企業の武田薬品では、年代にかかわらず切磋琢磨して成長できる環境が整っているといえるでしょう。

参謀侍の紹介>

通信企業でIT営業に携わる。その後ヘルスケア業界にキャリアチェンジしMRを10年間経験。メンバーの育成やプロジェクトの運営などを行う。経営知識を生かしヘルスケア企業の分析や将来の動向を独自路線で読み解く。

 

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