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【対医師向けWEB面談術②:2020年9月更新】 〜ヘルスケアマーケターの目〜 

投稿日:2020年7月5日 更新日:

【ヘルスケアマーケターの目とは 】

ヘルスケアマーケターのトリプルが最前線で得られる医療業界の最新の情報を基に、その時代に合った情報を独自目線で切るシリーズ型の記事です。

本シリーズのテーマは「WEB面談術」

オンライン面談、リモートディテール、リモートコミュニケーションなど様々な呼び方で表現されていますが、ここで言うWEB面談は医療従事者(主に医師)に対してヘルスケア関連企業の方がオンラインツールを使って面談する事と定義します。前回に引き続き医師向けのWEB面談術を独自の考えで紹介していきます!今回は少し精神論入ってますが(笑)必要な事なのでお付き合いください!

【業界最速】実践!対医師向けWEB面談術(序)〜ヘルスケアマーケターの目〜

3つの視点

WEB面談を主に製薬企業や医療機器企業の会社員の一人として実践する時に、必ず抑えて貰いたい事が3つ有る。

・顧客(医療従事者)の視点

・現場(MR)の視点

・本部(企業)の視点

マーケティング用語に3Cと言う言葉が有るが、「市場(customer)」「競合(competitor)」「自社(company)」の頭文字から来ている言葉だが、この3CをWEB面談にも当てはめて考える事が大切だと考えている。WEB面談と言う一つの事象を3つの立場から考える事で見えてくる事も有るのではないだろうか?

顧客(医療従事者)の視点

COVID19が引金に成った事でMRが当たり前に医療機関にアポなしで出向き、医師と廊下で面談するなんて事は無くなると思って間違いない。医師の立場的にもそれは苦しくなる。みなまで言う必要もないだろう。

しかし、最新情報をMRから収集していた医師(約5割)も多い。そして、頻繁に来て情報提供して来れたり、サポートしてくれる企業の製品を使うと言う人間味の有る医師も年齢問わず多いのもこれまた事実。

最新情報は欲しいが以前の様にMRに依存した形は難しい。そのギャップこそが医師の視点だろう。そんな中で医療系ポータルサイトから最新情報を入手出来るサービスも拡充している。

しかし、大規模スタディーの結果が実臨床で再現されるとは限らない様に。地域特性、個別の患者背景、医療機関の経営方針など複雑な状況を計算しながら最適な治療ストラテジーを組み立てる医師達にとって気軽で、リアルな情報を聞ける相手がMRだ。事実オムニチャネルが注目される中、医療系ポータルサイトで情報収集した医師達の40%〜50%は、その後MRからより詳しい情報を確認していると言うデータも有る。

参考:次世代MRが目指すべき方向性を探る|MRの転職・求人情報サイト【MR BiZ】https://mr.ten-navi.com/interview/05/

医師の視点 まとめ

MRと医療機関内で面談する機会は減らさざる得ない。しかし、実臨床に役立つ最新情報の入手は求めている。様々なチャネルから情報収集しているが、その多くはどこかのタイミングでMRに情報を求める傾向も高い。その手段としてWEBが使えるのか模索中

現場(MR)の視点

この記事を読んでくれているあなたの視点なので、わざわざ触れるまでも無いのだろうけど…ここでは競合の視点も加えて見たい。

1人の医師に対してどの程度の企業が接触しているか?そこは明確なデータは持ち合わせて居ないが、2次医療圏の中核病院クラスで筆者の肌感覚では大小合わせて20社程度では無いかと考えている。数はバラツキが有るとは思うが医師の時間をその20社で奪い合う関係と捉えて間違いない。

仮に一人の医師が一日にWEB面談対応可能な時間が多くて2時間(午前1時間、午後1時間)とする。平日5日間の合計で10時間。10時間の約30%をMR等の業者とのコミュニケーションに当てると想定した場合、約4時間を20社のMRで争奪する事と成る。一人30分の面談を設定した場合、20社中8社がその週の中で面談可能と成る。残り12社は次回に回されるか拒否される事に成る。

このケースは良く面談してくれる医師と言う設定だが、この競争こそが現場(MR)の視点だ。今までは廊下で立ってれば逢えた、名刺を出せば逢えた。これからは面談行為その物が医師の裁量で選択される事に成る。筆者が実際に何人かの全国各地の中核病院医師に確認した所、6月下旬で平均して10回前後はWEB面談を経験している様だ。あなたが面談していない時にも何処かの企業がWEB面談していると思って間違いない。しかし、現状は各社のWEB面談の実装段階や重要度の重み付けに差が有る為MR個人の問題とも言い切れない。

現場(MR)の視点 まとめ

医師一人に対して多くの企業が接触を試みる事が大前提。COVID19前との決定的な違いは医師と面談する機会自体が医師に委ねられる。WEB面談の機会を効率良く獲得出来る事が、MRとしてのパフォーマンスを左右する決定的な要素に成る。その方法は各社のWEB面談ツールの実装状態や方針で左右されるが、良い方法を見出せたMRとそうで無いMRの格差は開く。

本部(企業)の視点

ここは注目して貰いたい。ここまではWEB面談に主に直接的に関わる、医師とMRの視点で有り、どうすれば情報を得られるか?どうすれば面談を獲得出来るか?と言う比較的狭い範囲の話だった。

企業の視点に成ると一気に視点が変わる。端的に言うと、”どうすれば自社製品の使用を促進出来るか?”どうすれば適正使用を促せるか?”と言う根源的な目的目線に変わる。マルチチャネルと言う言葉がヘルスケア業界で言われる様に成って長いが、中々浸透しなかった中で本部サイドからすれば絶好の機会で有る。

誤解を恐れずに言えば、上記の目的を果す手段としてMRを活用しなければ成らない絶対的な理由は無いと言える。むしろ一般的に企業にとって最も大きなコストが人件費で有る中で、マルチチャネルが促進されて企業のウェブサイトや、サードパーティーのポータルサイトから目的が果たされるならばコスト面でそれに勝る事は無い。

その様な企業経営の切実な側面を鑑みれば、マルチチャネルを促進する為に、MRによるWEB面談が効果的なのか?またそのWEB面談を上手に他のマルチチャネルと組み合わせて展開するMRはどの様な方法でやっているのか?ここに注目が集まる。

本部(企業)の視点 まとめ

本部目線で見た時に、自社製品の適正使用と拡販が目的に成る。その手段として最適なアプローチが欲しい。MRによる面談が絶対条件では無く、マルチチャネルによるプロモーションをこの機に推進出来る機会。その様な方針の中で、MRによるWEB面談が効果的なのか?またその他のマルチチャネルとの親和性や促進効果は有るのか?を注視している

WEB面談に対する心構え

ここまで3つの視点で話を進めてきたが、結局何が言いたいのか?と言う疑問にお答えしたい。

一言で言うなら

MRの機能は変わると言う事だ

これまでは、頻回訪問して出来るだけ単純接触回数を高めて、医師に自社製品を使ってもらう事、AE情報を収集して即座に報告する事が主な機能だったが。この様な事は今後物理的に難しく成る。

あなたの所属する企業もそうかもしれないが、その急激な変化に戸惑っているに違いない。その中でもヘルスケア企業として適正使用の促進と、拡販をしなければ成らない。否応なしにマルチチャネル化はどの企業でも大幅に進む。

その中でMRはマルチチャネルを統括する機能として力を発揮する事が求められる。MRとしての人的チャネルの最前線として個人の成績だけで無く、その他のマルチチャネルを巻き込んで地域毎に最適な形にして行く俯瞰した見方が大切に成る。

そんな中で筆者が考えるWEB面談に対する考え方はあくまでも手段。手段として当然使いこなせる必要が有るが、WEB面談が上手だからと言ってどうと言う事もない。結局、あなたの所属する企業の根本的な目的を果す事に繋がっているか?顧客で有る医療従事者に喜ばれる事に繋がっているか?その様な事を考えてみる事も良いかもしれない。

”WEB面談が上手だからと言ってどうと言う事もない”などと

今回のWEB面談術と言うテーマ設定を根っこからひっくり返す様な結論だが(笑)その様なマインドがWEB面談の機会を医師から得る為にも大切に成ってくる。その点は次回ご紹介したい。

次回

【業界最速】(完)実践!対医師向けWEB面談術 〜ヘルスケアマーケターの目〜

次回はWEB面談術を3つの視点を踏まえシチュエーションに分けて紹介。

#4 「After COVID」ヘルスケアマーケターの目~売れる営業編


トリプルの紹介

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ヘルスケア業界でMR、新規事業開発、セールスマーケティングに従事。数多くのセールスマンとの関わり、MR研修やOJT等通じて実践的なトレーニングの経験も持つ。

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