企業分析 製薬企業

参謀侍が見た製薬会社の動向と将来性 “田辺三菱製薬”

投稿日:2020年5月16日 更新日:

今回の特集は田辺三菱製薬です。老舗企業の一つですね。女優の黒木瞳さんがCMで皮膚用ステロイドのフ〇コートをアピールしている企業ですね!

 

田辺三菱製薬基本情報

2019年度

売上収益 3,798億円 

営業利益 190億円 

当期利益 1億円

従業員数 7,100人(連結) 3,924人(単体)

平均年齢 45.3歳 平均年収 846万円

田辺三菱製薬ってどんな会社?

三菱ケミカルホールディングスの傘下に所属している内資系製薬会社です。2020年3月には完全子会社化し上場廃止となりました。

2007年に田辺製薬と三菱ウェルファーマの合併により誕生しましたが、起源は5つの製薬会社(田辺製薬、吉富製薬、ミドリ十字、東京田辺製薬、三菱化学)に遡ります。

医療用医薬品他一般用医薬品も扱っています。自己免疫疾患領域に強みを持ち、ワクチン事業では植物由来ワクチンを開発中です。また精神科領域では子会社の吉富製薬と共同プロモーションを行っています。

売上の約85%は国内で構成されており、多発性硬化症やALS治療薬の導出を皮切りに海外売上上昇を目指しています。

特徴はなに?

1990年代、当時は収益性の確保が困難であるといわれていた時代に、関節リウマチ治療薬を国内に導入し、世の中にパラダイムシフトを起こしました。田辺三菱製薬は生物学的製剤における国内製薬会社のパイオニアといえます。

2015年には脳梗塞急性期の治療を目的として創薬されたを薬剤を、ALS治療薬として新たな価値を提供しライフサイクルマネジメントの延長に成功しました。

 

参謀侍の目

過去にはミドリ十字社の薬害事件や子会社の不祥事により世間から厳しい目に晒された。だが現在はそのような負のイメージを払しょくしてきた、最前線で医療従事者と向き合っている従業員の努力の賜物といえよう。

これまで売上拡大を目指し、その実現に海外に活路を見出したが、多発性硬化症治療薬のロイヤルティ支払いに関しスイス・ノバルティス社が紛争を起こした。それにより大幅な収益の減額を余儀なくされ多大な影響がもたらされている。

その結果2019年度はコア営業利益190億円、当期利益1億円、2020年度予測はコア営業利益100億円、当期利益85億円と収益性の低さが目立つ状況となっている。

しかしながら、根底にある課題は他にある。次世代を支える大型新薬が、10年以上開発できてないことだ。中核製品が10数年経過しており、未だ大黒柱となっている。

三菱ケミカルHDの完全子会社化による効果は果たしてどれほどのものか?元々HD傘下にいた訳で、株式保有率を上げることで他グループ会社との協業が加速するのか、疑問が残る。当然HDの介入がより強くなるため、ある程度強制力を働かせることは可能であろう。

いづれにせよ、田辺三菱自身が大型製品のライセンス契約、他製薬会社とのアライアンス強化など新たな戦略企業戦略が必要となるだろう。

 

参謀侍の紹介>

個人向け営業からキャリアをスタート。その後ヘルスケア業界にキャリアチェンジしMRを10年間経験。メンバーの育成やプロジェクトの運営などを行う。経営知識を生かしヘルスケア企業の分析や将来の動向を独自路線で読み解く。

前の記事:参謀侍が見た製薬会社の動向と将来性#7“第一三共株式会社”

参謀侍が見た製薬会社の動向と将来性#9 “協和キリン株式会社”

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