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参謀侍が見た製薬会社の動向と将来性 “大日本住友製薬”

投稿日:2020年3月28日 更新日:

読者の皆様いかがお過ごしでしょうか?冷静にこの状況に立ち向かい、克服していきたいものですね!

さて今回は大日本住友製薬の特集です。ベテランの方々にはマルピーといった方がしっくりくるかも!?ではみていきましょう。

大日本住友製薬基本情報

売上収益 4,828億円 

営業利益 832億円 

当期利益 408億円

従業員数 6,166人(連結) 3,062人(単体)

平均年齢 42.3歳 平均年収 891万円

 

大日本住友製薬ってどんな製薬会社?

起源は1897年の大阪製薬に遡ります。2005年10月に大日本製薬住友製薬が合併し、誕生しました。

2020年4月より重点開発領域を精神神経領域/その他・がん領域・再生/細胞医薬分野・スミトバントグループの4領域に再編しました。

精神神経領域を強みとし、開発性成功率*は業界平均9.6%を上回る15%となっています。

*臨床成功確度(フェーズ1⼊りした化合物の承認される確率)

特徴はなに?

過去には高血圧薬が柱でありましたが、現在は精神神経系他スペシャリティ領域に特化しています。

またiPS細胞を用いた再生医療の実用化に向けて京都大学と共同開発を進めています。未知の領域に製薬企業の中では先んじて飛び込んだ形となっており、収益性含め競合のベンチマークとなりえます。

2019年にはiPS細胞を用いた医薬品開発に強みをもつ豪バイオベンチャー「ロイバント・サイエンシズ」と戦略的提携を結びました。総額30億ドルもの案件で、具体的にはロイバント社から5つの子会社を買収による複数の新薬候補を獲得、ロイトバンド社の株式11%の取得を行いました。

2019~22年度には複数の製品が米国で承認される見通しで、このうちいくつかはブロックバスター候補として考えられています。

参謀侍の目

ここ数年で大きく舵取りを行わざるを得ない原因は何といっても大型製品のパテント切れだろう。製品Aは北米で年間約2000億円を稼ぎ出すブロックバスターだ。つまり一剤で売上の50%を支えていることになる。

そして2023年に特許が切れるとその多くの売上(北米では通常9割減といわれている)を失うことになる。

製品開発は日本市場でも悩みの種となっていた。当初の計画では2015年度の申請を予定していたが、治験段階で良好な結果を得られず見送ることになった。

ピーク時には300億円は目指せるポテンシャルはあるが、開発費用が大きく膨らんでしまったことは大きな痛手となっているだろう。

道を切り拓くために当社では過去最大の買収を行った。起死回生の一発を期待しての買収であるが、獲得した化合物は子宮筋腫や過活動膀胱治療薬でブロックバスターも目指せると同社は目論んでいる。

しかしながら、既存のコア領域とのシナジーはみられない。ロイトバンドは重点領域の一つとして独立性を保っており伸るか反るかの側面が強いように感じられる。

今回の買収ではパイプラインの他、独自のテクロノジーも手に入れた。デジタルトランスフォーメーションを武器に、この厳しい局面を乗り切って日本企業の底力を発揮していただきたい。

参謀侍の紹介>

通信企業でIT営業に携わる。その後ヘルスケア業界にキャリアチェンジしMRを10年間経験。メンバーの育成やプロジェクトの運営などを行う。経営知識を生かしヘルスケア企業の分析や将来の動向を独自路線で読み解く。

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