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参謀侍が見た製薬会社の動向と将来性 “塩野義製薬”

投稿日:2020年4月4日 更新日:

4月になりました。今年も3ヵ月間が経過し、皆さんにも色々な変化があったのではないでしょうか?ヘルスケア業界にも新社会人や転職者などの新たな風が吹き込んできていると思います。

世の中の多くの企業がオンラインでの研修をスタートしていると聞きます。主体性が求められる環境なので、自分自身をどのようにコントロールできるか?が鍵となりそうですね。

情報も自らキャッチしなければならない。

このブログもヘルスケア業界に既にいる方、今は違うけれど関心のある転職希望の方などにも幅広く届けば幸いです。

今回は製薬会社の塩野義製薬を特集します。

 塩野義製薬株式会社基本情報

売上高 3,350億円 

営業利益 1,252億円 

当期利益 1,213億円

従業員数 5,261人(連結) -人(単体)

平均年齢 41.7歳 平均年収 904万円

 

塩野義製薬ってどんな製薬会社?

薬の街大阪市中央区道修町に本社を置く、老舗製薬会社の一角です。ロゴマークは、天秤で薬量を正確に計量するために用いられた分銅に由来しているそうです。

一時は国内TOP3に入るほど医療業界に大きな影響をもたらしていました。一時の低迷期を経て2010年以降新たな成長段階に入っています。

近年は他社との提携により積極的な海外展開も行っています。2014年以降は業績が好調なこともあり中期経営計画が “2年前倒し” で達成しています。2019年度国内売上は通期予想3441億円、ロイヤリティ収入が1642億円とされています。

海外への導出も積極的に進めており堅調なことから、ロイヤリティ収入が売上の約47%を占めています。

塩野義製薬の特徴はなに?

感染症領域に強みを持ち、疼痛・神経領域にも注力しています。2004年に現手代木社長が研究開発部門長に就任した後に大幅な事業戦略の見直しを行い、25の研究分野から「感染症」などの3分野に絞り込みました。

その後多くの製薬会社がROIの低い感染症領域の研究開発から手を引く中、継続した開発を行ってきました。

結果として14年間で7つの新薬開発に成功し、会社を支える製品に成長させています。世の中の常識を打ち破り、革新的な化合物を誕生させたことが “手代木マジック”たる所以ですね。

代表する薬剤としては抗HIV薬や抗インフルエンザ薬があります。現在製薬業界では独自のポジショニングを獲得しているといえるでしょう。また自社製品比率が高いことから営業利益率も39%と高収益体制を構築しています。

昨年テレビ東京の「カンブリア宮殿」にも取り上げられていました。

https://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/2019/0124/

手代木マジックをみたい方はテレ東ビジネスオンデマンドにて視聴が可能です。(有料)

参謀侍の目

塩野義製薬は文字通り「選択と集中」で成功している企業といえる。振り返れば正しい選択であったことは明白であるが、当時の塩野義社内、業界の常識からすると相当に異質な判断と受け止められただろう。

2000年代といえば、生活習慣病治療薬の最盛期で人も金も多く投入されていた。当たれば大きい、そのため市場へいかに早く開発し投入するかが最重要課題であった。

しかしながら、次第に市場環境は激化し一面どこをみてもレッドオーシャンとなっていた。当然メガファーマが資金・体力でも圧倒しており、一筋縄ではいかぬ状況であっただろう。

一定規模の企業では何かに特化しなければ生き残れない、そういったことは多くの人間が頭ではわかっている。だが、実行に移すのは困難だ。多くの反発もあり時には孤独になったことは想像に難くない。このような侍企業が次々とでてきて世界で活躍してほしいと思う。

今後も革新的な薬剤を開発し、また将来性のある会社だと示すことができるだろうか。

この正念場をどう乗り越えるのか今後の動向に注目していきたい。

参謀侍の紹介

通信企業でIT営業に携わる。その後ヘルスケア業界にキャリアチェンジしMRを10年間経験。メンバーの育成やプロジェクトの運営などを行う。経営知識を生かしヘルスケア企業の分析や将来の動向を独自路線で読み解く。

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