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【2020年最新】内資系製薬会社 売上高ランキング-前編-

投稿日:2020年6月20日 更新日:

皆さんこんにちは、参謀侍です。今回からは新シリーズ「製薬会社将来性独自ランキング」をやっていきます。前回までは内資系製薬会社TOP10を個別で特集してきましたが、それでどこの企業が将来性があるの?と思われた方も多いのではないでしょうか。

しかし、何か一つの事実だけで企業の将来性を判断できるわけではありません。定量的なデータから定性的なデータ、また製薬会社であれば治験の結果によって将来性が大きく左右されます。

ということで、様々な角度からランキング形式化し製薬会社の将来性を分析していきたいと思います。特に就活生や転職活動中の会社員の方には必見!?の内容になりますので是非最後までご覧ください。

 

 

内資系製薬会社TOP10売上高ランキング

1位:武田薬品工業

旧シャイアー社の買収により大幅な増収を達成している。内資系製薬会社では圧倒的な規模となっている。今後の拡大が期待されるところだが、血液製剤市場での競争激化も響き今期は前年を下回る予想。

 

2位:大塚ホールディングス

大塚製薬、大塚製薬工場、大鵬薬品などの企業で構成されている。2015年には大型製品のパテント切れにより4000億円規模の売上を失ったが、この4年程で見事にV字回復を遂げた。医薬品事業に加えて、一般向け製品(ポカリスエット等)を販売していることもあり、事業ポートフォリオは他社と比べ幅広いと言える。

 

3位:アステラス製薬

大型製品の抗がん剤が開発されたことにより、自社製品の売上比率を伸ばすことに成功した。一時期は開発能力に疑問符があったが、見事に払しょくしたといえる。合併前からプレゼンスの高かった泌尿器科領域でもヒットを放つなど、2位を堅持している。昨年末にバイオ企業の大型買収を行うなど将来に向けた投資を積極的に行っている。

 

 

 

4位:第一三共

確かな製品開発力があり医療関係者からの信頼が厚い企業。コンスタントに新薬がでてくることから、着実に製品の世代交代が行われている。これまで大きく崩れたことがなく将来性安定度からいうと1番かもしれない。大台の売上高1兆円は目の前にしながらもあと一歩という状況が続いている。

 

5位:エーザイ

2010年代初期に認知症治療薬の特許切れにより、大きな減収(約2000億円)に見舞われた。しかし、新規抗がん剤により起死回生に成功し、ふたたび成長軌道に乗っている。開発難易度の高い認知症領域での新薬開発に成功すれば、将来性はかなり有望なものになるだろう。

 

6位:中外製薬

近年急成長を遂げている。自社製品の海外展開が功を奏し、今期も大幅な増収が見込まれる。見込み金額、率ともに今期予想は1位となっている。向こう数年は将来性に期待が持てる。ロシュ社との戦略的提携による販路拡大が功を奏していると言える。かねてよりがん領域に注力していたこともあり、独自路線を着実に歩んでいる。

 

7位:大日本住友

抗精神病薬が北米市場で成長していることも起因し一定の売上を維持している。パテントクリフ(特許切れの崖)が近いことは不安因子ではあるが、今期日本市場での成長見込まれ272億円の増収の予測となっている。

 

8位:田辺三菱製薬

ノバルティス社への導出品に関するトラブルもあり、経営環境が厳しい局面に立たされている。2020年には三菱ケミカルHDの完全子会社化され、グループ企業内でのシナジーを期待されている。次の大型製品が出てくるまではしばらく守りの経営が続くであろう。

 

9位:塩野義製薬

一時の低迷期を経て、感染症領域への強い拘りが花を咲かせ、抗HIV薬や抗インフルエンザ薬で大きく成長を遂げた。革新的な薬剤を開発した一方で、抗インフルエンザ薬の耐性問題なども起き踊り場に差し掛かっている。導出品のパテント切れに備え、次世代の薬剤開発が待ち望まれる。

 

10位:協和キリン

長年透析領域で高いプレゼンスを持っていたが、主力製品のが特許切れとなり転換期を迎えている。幸い日本初のバイオセイム(製造工程、成分が全く同じ)を発売したことで大きな崩れは免れている。向こう数年は我慢の時が続くと思われるが、その先にある新規薬剤に期待されている。

 

 

参謀侍の解説

売上高をみるときにはまずは現時点での売上順位と金額をみることになる。単純比較で、規模感がわかる。ただし、規模が大きければよいかというと必ずしもそうとは言えない。利益率や資本バランスも重要となるが、それはまた別の回で解説します。

次に来期予測に着目する。これをみると短期の成長性が分かる。例えば2020年度は中外製薬の一番成長率が高い。ここで重要なことは、なぜそれだけの成長が見込まれるのか?逆もしかりで、なぜマイナス成長となるのか?をしっかりと調べることだ。それが、一時的な要因によるものなのか、将来に渡り継続されるのか、見極めることが大事である。

あくまで売上高はその時点での会社の成績を表しているに過ぎない。物事を見る時には経時的に数値を追うことで、新たな発見がある。そこからようやく将来性を判断できる。

次回は過去3年間の成長率といった観点から解説していきます。

 

 

侍のこぼれ話

今回製薬会社将来性ランキングの分析にあたり、製薬業界の安定性の高さを再確認した。どういうことかというと、コロナ禍により、多くの産業では今期の予測が立てられない状況下にある。あのソフトバンクでさえ今は不確実性が高いとし未定となっている。

しかし製薬企業はどうだろうか、TOP10社は全て予測をだしている。これが何を意味するか?医療は経済事情とは切り離されたものだということだ。当然コロナが業績に影響を与えることにはなるが、-3%程度と推定されている。

エッセンシャルワーカーの医療従事者の方々には頭が下がる思いだが、そういった観点で企業分析をしてみるとまた違った側面がみえてくるのではないだろうか。

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