日本には2018年時点で659社の医療機器製造販売業者が有ります。資本金100億を越える企業は56社有ります。その中でも日本の医療機器産業を牽引するヘルスケア事業売上トップ10企業に着目して成長性ランキングTOP10にしました。
成長性ランキングの出し方
① 内資医療機器企業の売上TOP10→ランキング
② 2017年−2020年CAGR(年平均成長率)算出→ランキング
③ 売上ランキング+CAGRランキングを合算して成長ポイント計算→ランキング
「売上高」と「年平均成長率」を掛け合わせる事で企業成長力の目安を示したいと思います!
目次
ランキング結果
売上ランキング 結果
① 売上ランキング結果発表です。
企業名 | 売上ランク | 2020年度 売上 |
---|---|---|
オリンパス ※ | 1 | 6,255 |
テルモ | 2 | 6,138 |
富士フイルムHD ※ | 3 | 5,674 |
HOYA | 4 | 5,479 |
ニプロ | 5 | 4,555 |
シスメックス | 6 | 3,050 |
日本光電工業 | 7 | 1,997 |
フクダ電子 | 8 | 1,467 |
オムロン ※ | 9 | 1,231 |
コニカミノルタ ※ | 10 | 1,090 |
※オリンパスは内視鏡+治療機器事業、富士フイルムHDはヘルスケア事業、オムロンはヘルスケアビジネス事業、コニカミノルタはヘルスケア事業
CAGRランキング 結果
② CAGR(年平均成長率) 5ヵ年 2016年〜2020年売上から算出
※CAGR(年平均成長率):複数年にわたる成長率から1年あたりの幾何平均を求めたもの。企業の将来売上予測の参考にする指標とされています。
企業名 | CAGRランク | CAGR(年平均成長率) |
---|---|---|
富士フイルムHD ※ | 1 | 10.3% |
ニプロ | 2 | 6.1% |
シスメックス | 3 | 5.1% |
オムロン ※ | 4 | 5.0% |
コニカミノルタ ※ | 5 | 4.9% |
フクダ電子 | 6 | 4.8% |
日本光電工業 | 7 | 4.7% |
テルモ | 8 | 4.5% |
HOYA | 9 | 3.4% |
オリンパス ※ | 10 | 2.3% |
※オリンパスは内視鏡+治療機器事業、富士フイルムHDはヘルスケア事業、オムロンはヘルスケアビジネス事業、コニカミノルタはヘルスケア事業
成長性ランキング
企業名 | 成長性ランク | 成長ポイント(売上ランク+CAGRランク) | 売上ランク | CAGRランク |
---|---|---|---|---|
富士フイルムHD ※ | 1 | 4 | 3 | 1 |
ニプロ | 2 | 7 | 5 | 2 |
シスメックス | 3 | 9 | 6 | 3 |
テルモ | 4 | 10 | 2 | 8 |
オリンパス ※ | 5 | 11 | 1 | 10 |
HOYA | 6 | 13 | 4 | 9 |
オムロン ※ | 7 | 13 | 9 | 4 |
日本光電工業 | 8 | 14 | 7 | 7 |
フクダ電子 | 9 | 14 | 8 | 6 |
コニカミノルタ ※ | 10 | 15 | 10 | 5 |
鳥の目虫の目
医療機器企業に共通するCOVID19の打撃パターン
COVID19の影響を大きく受けた2020年、多くの産業及び企業が業績を大幅に落とす中、ヘルスケア企業の多くは底堅い成長を維持しています。上記10社で前年比で売上を高めた企業は6社でした。またCAGRの平均は5.1%でした。
企業毎に傾向を見ると2つの点に注目出来ます。
その1:海外売上比
世界全体を巻き込むパンデミックとなったCOVID19。日本よりも感染拡大に苦しめられた国は多く、海外売上比率の高い企業ほどそのダメージを受けています。
その2:治療デバイスに大きな影響
世界的にCOVID19対応で医療リソースが感染対策に割かれました。結果として緊急度の高くない手術は延期や、中止に成るなど特に2020年前半は治療系デバイスメーカーはダメージを受けています。そんな中で富士フィルム、シスメックス、オムロンなど治療以外の診断、検査等、診療サポートデバイスは相対的に影響が限定的かつ、COVID19監査に使用するデバイスに需要が高まるなど追い風も有った事が読み解けます。
COVID後のDX対応
COVID19が収束が予測される中、医療機器業界を取り巻く環境も急速にDXに傾くと想像されます。
理由は3点
① デジタル庁の発足 医療分野は最重要テーマになる
② AIやIOTを活用した高度診断技術、治療技術の標準化
③ COVID19は医療の非効率を顕在化した
上記の様な機会が急速に医療をデジタル化に推し進める事になるでしょう。
今後の各社の対応には目が離せません。
各社の情報
1位:富士フィルムHD
売上高(2019年度) 5,674億円 3位
CAGR(2017–2020) 10.3% 1位
2位:ニプロ
売上高(2020年度) 4,555億円 5位
CAGR(2017–2020) 6.1% 2位
3位:シスメックス
売上高(2020年度) 3,050億円 6位
CAGR(2017–2020) 5.1% 3位
4位:テルモ株式会社
売上高(2020年度) 6,138億円 2位
CAGR(2017–2020) 4.5% 8位
5位:オリンパス
売上高(2020年度) 6,255億円 1位
CAGR(2017–2020) 2.3% 10位
6位:HOYA
売上高(2020年度) 5,479億円 4位
CAGR(2017–2020) 3.4% 9位
7位:オムロン
売上高(2020年度) 1,231億円 9位
CAGR(2017–2020) 5.0% 4位
8位:日本光電工業
売上高(2020年度) 1,997億円 7位
CAGR(2017–2020) 4.7% 7位
9位:フクダ電子
売上高(2020年度) 1,467億円 8位
CAGR(2017–2020) 4.8% 6位
10位:コニカミノルタ
売上高(2020年度) 1,090億円 10位
CAGR(2017–2020) 4.9% 5位
注意 免責事項
当医療機器業界ランキング(2021年)は上記企業の有価証券報告書に基づき掲載しております。ランキングは上記企業のデータの合計または平均等を表したものです。掲載企業に関しましては今後できる限り多くの企業を反映させるよう努めていますが、全ての企業を反映したものではありません。あらかじめご了承ください。また、情報に関しましては精査をしておりますが、当サイトの情報を元に発生した諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負うものではありません。重要な判断を伴う情報の収集に関しましては、必ず各企業の有価証券報告書にてご確認ください。
トリプルの紹介
ヘルスケア業界でMR、新規事業開発、セールスマーケティング、コンサルティングに従事。数多くのセールスマンとの関わり、MR研修やOJT等通じて実践的なトレーニングの経験も持つ。
現場を知るメディカルジャーナリストとして記事をお届けします