日本には2018年時点で659社の医療機器製造販売業者が有ります。資本金100億を越える企業は56社有ります。その中でも日本の医療機器産業の将来を牽引する売上TOP10企業に着目してROAランキングにしました。
目次
ROAとは
ROA=どれくらい効率良く儲けているか?
今回ランキングに採用したROA(総資産利益率:Return On Assets)とは、総資産に対してどれだけの利益が生み出されたのか示す、企業の収益性を見る指標です。純資産(自己資本)、負債(他人資本)を含めた、すべての資本をいかに効率的に運用できているかを表す情報となります。
ROAを理解する事で、その企業の事業モデルがどれだけ効率的か理解する事に繋がります。効率的な事業モデルの企業は中長期的な未来を考えても効率良く収益を上げてくれる事を期待できます。
ROAは利益を総資産で除して算出します。またROA=利益率×総資産回転率で出す事も出来ます。一般的に利益率の高い業種は、金融系、IT系などが。総資産回転率の高い業種は、小売業、卸売り業、飲食業などに多く該当します。
製造業のROAは5%を下回る傾向に有ります。医療機器に絞ると中小企業のROAは著しく低く、それだけ負債を抱えている可能性が有ります。精密機器を扱う医療機器企業はROAが高く成る傾向に有ります。
参考:内閣府 製造業企業の収益性と生産性
下記の図の様に、ROAを指標として見る際に利益率の高い企業なのか?総資産回転率の高い企業なのか?分解してみる事でその企業の特徴を理解する事が出来ます。
ROAランキング
2018-2020 ROA平均値
早速、ROAランキングです。ランキングをするに当たり2020年3月期の売上TOP10企業に絞り、2018年〜2020年の3年間の各社決算報告からROAを算出して平均値をROAランキングにしています。
※当ブログでは総資本純利益率をROAとしています。
売上TOP10企業
1位 HOYA
ROA:15.13% (2018〜2020 平均)
2020年→ 純利益率:19.86% 総資産回転率:0.71回
2位 シスメックス
ROA:11.00%(2018〜2020 平均)
2020年→ 純利益率:11.53% 総資産回転率:0.78回
3位 オムロン
ROA:10.37%(2018〜2020 平均)
2020年→ 利益率:11.03% 総資産回転率:0.89回
4位 テルモ
ROA:7.30%(2018〜2020 平均)
2020年→ 純利益率:12.60% 総資産回転率:0.51回
5位 日本光電工業
ROA:6.05%(2018〜2020 平均)
2020年→ 純利益率:5.30% 総資産回転率:1.1回
6位 フクダ電子
ROA:5.83%(2018〜2020 平均)
2020年→ 純利益率:7.20% 総資産回転率:0.79回
7位 富士フィルムHD
ROA:4.43%(2018〜2020 平均)
2020年→ 純利益率:7.47% 総資産回転率:0.7回
8位 オリンパス
ROA:3.92%(2018〜2020 平均)
2020年→ 純利益率:6.47% 総資産回転率:0.79回
9位 コニカミノルタ
ROA:1.97% (2018〜2020 平均)
2020年→ 純利益率:-0.3% 総資産回転率:0.78回
10位 ニプロ
ROA:0.46% (2018〜2020 平均)
2020年→ 純利益率:-2.76% 総資産回転率:0.53回
注意 免責事項
当医療機器業界企業ランキング(2020年)は上記企業の有価証券報告書に基づき掲載しております。ランキングは上記企業のデータの合計または平均を表したものです。掲載企業に関しましては今後できる限り多くの企業を反映させるよう努めていますが、全ての企業を反映したものではありません。あらかじめご了承ください。また、情報に関しましては精査をしておりますが、当サイトの情報を元に発生した諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負うものではありません。重要な判断を伴う情報の収集に関しましては、必ず各企業の有価証券報告書にてご確認ください。
トリプルの紹介
ヘルスケア業界でMR、新規事業開発、セールスマーケティング、コンサルティングに従事。数多くのセールスマンとの関わり、MR研修やOJT等通じて実践的なトレーニングの経験も持つ。
現場を知るメディカルジャーナリストとして記事をお届けします