セールスマーケティング

#3 「4P」ヘルスケアマーケターの目~売れる営業編

投稿日:2020年4月4日 更新日:

ヘルスケア業界に身を置くマーケター”トリプル“が様々なテーマに対して独自目線で分析して行くシリーズです。

前回の#2ではBtoBtoCの考えに基づいてヘルスケア(医療)業界の営業について触れました。

だからこそ、医療従事者と私達は共に良質な医療を提供する為のパートナーです。

製薬業界と医療機器業界を共に経験した筆者の感覚では、医療機器業界の方が仕事の性質上製品の導入、アフターフォローなど通じて上で述べたパートナーの感覚を少し強く感じ取れるかも知れません。しかし、製薬業界に置いても使われる薬剤が安心安全に患者さんに届く為のMRによる影働きは医療従事者にとって欠かせない物だと思います。

昨今、製薬業界では薬剤が売れる事を直接的に評価しない様な評価システムや、世の中の風潮が有り大変苦労の多い中だと思います。

ですが、私達が担当する製品を自信持って普及しなかったらば、担当エリアの患者さん方は、本来あるべき治療の選択の余地を1つ失う事に成ります。だから多少図々しいくらい”売ら”なければならないのです。

と、少し熱苦しい論調からはじめさせて頂きましたが、ここからはロジカルに行きます!!

今回、ヘルスケア業界の営業を見る切り口として4Pを用いて見ようと思います。BtoBtoCとの関係性をイメージしながらご覧ください。

4P(Product.Place.Price.Promotion)

※日本国内に置いては、保険診療が整っていますので保険診療中心に話を進めます

Product:エビデンスこそ命

アンメットメディカルニーズが有る疾患領域をターゲットにしてseedsが発掘され、主に3段階の臨床試験を経てエビデンスを構築し結果として保険適応を取得します。医薬品も医療機器も基本的には同様です。現場の閃き、顧客からの要望などが即座に製品開発、サービス改良に反映されるかと言うと、通常そう言う訳には行きません。

Place:開発企業がユーザーを頻回訪問する

流通の面では一般的に医薬品も医療機器も代理店を経由してユーザー(医療機関)に販売されます。これは他の産業でも類似している事です。しかし、開発企業の営業がユーザーを頻回訪問するスタイルは特殊です。家電や車をイメージして下さい。トヨタの車をトヨタカローラ(代理店)から購入する事は有ってもトヨタ本体の営業さんがユーザーを頻回訪問する事は限り無く少ないはずです。ヘルスケア業界では医薬品、医療機器開発企業の営業がユーザー(医療機関)を頻回訪問する事は当たり前で、当然の如く医療従事者に面会出来ます。金融業界に居た時は数十回面談依頼しても門前払いだったのに。。。

Price:販売価格は公定価格。

この業界では保険診療で収益を上げたければ、診療報酬のルールに従う必要が有ります。そして医薬品、医療機器は国の定める公定価格で販売価格が定められています。また2年に1度公定価格の見直しが有ります。自社製品の価格を自分で決める事が当然の他の産業とは大違いです。ですが、とても大きなメリットが有ります。国民皆保険制度がある為日本人なら基本的に医療費は3割負担で受ける事が出来ます。言い方を変えれば患者さんは70%オフで購入可能です。開発企業からすれば日本国内であれば、国の社会保障制度の援護のなか事業出来るのですから、保険適応を是が非でも取りたい訳です。ユーザーに代理店が納入する価格はユーザーの利鞘を得る為の交渉対象ですので日々水面下で交渉が繰り広げられています。

Promotion:患者さんへの直接営業は法律違反

医療業界の広告は「医療法」、「薬事法」、「医薬品等適正広告基準について」、等にて制限されておりヘルスケア企業では一般人への広告は原則出来ません。細かい説明は割愛しますが情報元を載せておきます。

参照 :厚生労働省 医薬品等の広告規制についてhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/koukokukisei/index.html

上記の制限が有る事から最終ユーザーである患者さんの為に、巨額な投資を経て開発された製品は直接患者さんに情報伝達される事は有りません。故に医療従事者が製品とその情報を患者さんに提供してくれる代弁者と成ります。余談ですがTVCM等で目にする一般用薬、健康食品やサプリメント等は上記の広告規制の範疇外と言う扱いです。怪しげなヘルスケア商品に騙されない様にしましょう。

まとめ

ヘルスケア産業は社会保障制度と密接に関連した社会システムの一部。その為規制も多く営業面で見ても独特な”お作法”が必要。4P軸で見た時にバリューチェーンがBtoBtoCの構造に成っている理由が何となくご理解頂けたのではないでしょうか?

医療従事者はヘルスケア企業から製品を購入しますが自分自身に使う訳では有りません。患者さんにとって有益で有ると同時に、医療サービスを提供する医療従事者のソリューションとして有益である事が売れる条件に成ります。

前項でお伝えした”感動の法則”はヘルスケア産業の場合は、最終ユーザーの患者さんの感動、パートナーで有る医療従事者の感動、異なる2つの感動を起こすと売れます。

さて次回は最終項目のこれからのヘルスケア業界の営業の行く末についてです。コロナ問題も絡み大きく変わる外部環境を踏まえてトリプル流の攻略案も少しだけご提示致します。

次回 これからのヘルスケア産業の営業さん

トリプルの紹介

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ヘルスケア業界でMR、新規事業開発、セールスマーケティングに従事。数多くのセールスマンとの関わり、MR研修やOJT等通じて実践的なトレーニングの経験も持つ。

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