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#1「感動の法則」ヘルスケアマーケターの目~売れる営業編

ヘルスケア業界に身を置くマーケター”トリプル“が様々なテーマに対して独自目線で分析して行くシリーズです。

今回のテーマは営業職をヘルケア業界に絞り独自の切り口で分析してみます。これから営業になるあなた、既に営業の世界で力を発揮しているあなた、また他業界でご活躍される方にとっても参考になればと思います!

#1 トリプルが考える売れる営業さんの分類

先ずはこのチャートを見て貰いましょう↓

上記の分類は筆者が証券会社の営業職として仕事をしていた時代の経験、MRに成ってからの経験、何人もの営業さんを客観的に分析して分類した売れる営業タイプ4分類です。

営業にかける時間(横軸)、営業的戦略性の高さ(縦軸)で切っています。結論としては、売れる営業は大雑把に分類するとこの4タイプに大別されます。

① ハードワーカー 時間(長)戦略性(高)

その名の通り、めちゃめちゃ働く人。戦略性と人一倍の実行力で結果を出す。どの業界でもトップセールスと言われる人はここに位置するでしょう。他を寄せ付けない圧倒的なモンスタークラスの営業さんが属するのもこのタイプではないでしょうか。もちろん知恵も使いますが行動しなければ始まらないと考えている為、実行力が高い事が長所です。短所は成功パターンがハードワークである為、誰にでもハードワークを求めてしまう事です。ハーダーワーカーになれる人は現実問題ひと握りです。

②スモールマーケター 時間(短)戦略性(高)

効率重視。基本的に工数はかけたく無い。平たく言うと少ない力で結果を出したい。だから、知恵を絞って論理的に最短最適の打ち手で結果を出そうとする。ハードワーカーとの違いは動くより先ず考える事。長所は誰でも出来る攻略法を発見する傾向に有りベストプラクティスを最も生み出す可能性が有ります。短所は作戦は立てたが実行が伴わない売れない人になるリスクも相応に高い事です。情報も持っている分析も的確。でも売れない。そんな人もチラホラ

③スーパーコミュニケーター 時間(短)戦略性(低)

短時間で顧客の心を掴む天才型。メラビアンの法則でも人は見た目、声などの非言語情報で90%相手を判断しているとされますが、難攻不落の顧客開拓をアッサリと攻略するのはこのタイプが多い印象です。このタイプが勝つ事が有るから営業は面白く深いと言えます。長所は持ち前のコミュニケーション能力で短期間で顧客の懐に入る力です。短所は真似しようにも真似できる事では有りませんので組織的なナレッジに成らない点と、人間関係偏重の関係構築の為、後の担当交代などで後任は苦しむかもしれません。

④サブちゃん 時間(長)戦略性(低)

変なキャッチコピーですが。。要はコツコツ顧客にアプローチして時間を使って売って行くタイプ。サザエさんに出て来る”三河屋のサブちゃん”をイメージしてもらいましょう。顧客に対して売り込む力は強く無いが、毎日コツコツ顔を出す事で可愛がられ、顧客が買ってあげたくなる。製薬業界のMR、MSに割と多いタイプ。このタイプの強みはなんと言っても継続力。これに勝る力は無いかもしれません。短所は効果が薄いアクションでも見極めが出来ずにひたすら繰り返すなど準軟性に欠ける点です。短所が克服されればハードワーカーに進化する可能性が最も高いでしょう。

感動の法則

筆者の考えでは、”売れる”瞬間はなんらかの、感動が顧客マインドで起きている。そう考えています。

感動とは?

喜び、驚き、怒り、悲しみ、など感情が揺れ動く事

人が感動を起こせばその感情の揺らぎの中に、顧客本人すら気が付いていない潜在的な欲求が浮かび上がり、そこに最適な解決策を提供する。それが”売れる”と言う現象です。

10年以上前の話ですが、筆者が証券の営業職だった時、その時の会社役員から顧客を怒らせた時ですらチャンスだと思えと言われた事が印象に残っています。

「顧客が怒りを露わにしているという事は、感情が動いた時。その時にスピーディーかつ丁寧に対応をすれば顧客も普段は表に出さない課題意識、潜在ニーズを表現する可能性が高い」その様なメッセージです。

意識しているか、していないかは別として営業とは顧客を感動させる為に日夜、創意工夫しているのだと思います。若い営業パーソンの皆さんに参考になればと考えています。

さて、話を戻すと

このチャートでは、時間軸と戦略性軸で分類していますが。営業にかける時間と戦略性の高さが掛け算されて顧客に感動を生み出します。

しかし時間も長く、戦略性も高ければ全て良し!と言う訳では無い。これが営業の醍醐味です。

時間×戦略性→顧客感動の引金

①のハードワーカーは時間も使い、知恵も使い顧客の想定の向こう側に営業活動として到達し、驚き、喜びを生む。WAOパフォーマンス!

②のスモールマーケターは、顧客が求める事、課題をいち早く特定して最短で解決策として提供するから、驚きと、喜びを生む。イシュードリブンとも言える

③のスーパーコミュニケーターは、この人と会うと楽しい、嬉しいなどの感情を生み出す。恋愛感情に近い感動を生む。これが人間にしか出来ない普遍的な強みでしょう。

④のサブちゃんは、こんなにもコツコツ来てくれるなんて思って無かったと言う驚きと、喜びを生む。時間を味方につける事で再現性を生む。誰でも出来そうで出来る事では無い価値です。

自分の特性と相手

顧客層、相手の期待値、相手のキャラクター、タイミング、製品、サービスの内容、競合の存在、それまでの歴史、などでどのタイプが刺さるかも違うはずです。

どうすれば顧客を感動させられるだろうか?どんな方法が顧客感動に最短で到達するだろうか?

つまりは、“自分を知り相手を知る”

顧客を感動させる!

その1点を目指して世の中の営業さん達は切磋琢磨しています。これからの時代も人の心に関わる営業と言う仕事は必ず求められる仕事だと思います。AIやロボットでは容易に代替出来ない点です。

次回は筆者の関わるヘルスケア業界の営業パーソンにスコープして分析してみたいと思います

#2 「BtoBtoC」ヘルスケアマーケターの目~売れる営業編


トリプルの紹介>

ヘルスケア業界でMR、新規事業開発、セールスマーケティングに従事。数多くのセールスマンとの関わり、MR研修やOJT等通じて実践的なトレーニングの経験も持つ。

ABOUT ME
トリプル
ヘルスケア業界でマーケティングの仕事に従事しながら、ヘルスケア業界以外のビジネスにも関わっています。 医療現場起点のインサイトを集めてブログ記事にします。どうぞよろしくお願いします。