ヘルスケア業界に身を置くマーケター”トリプル“が様々なテーマに対して独自目線で分析して行くシリーズです。
目次
これから先のヘルスケア業界の営業さん
ここまで「売れる営業」をトリプルの独自目線で書いて来ましたが、少し振り返ります。
#1では売れる営業さんを4タイプに分類してご紹介しました。また感動の法則についても紹介しました。
#2#3では2回に分けてヘルスケア業界の多くは”BtoBoC”モデルで有る事を”4P”にも触れながらご紹介しました。
詳しくは下記
#2「BtoBtoC」ヘルスケアマーケターの目~売れる営業編
今回は状況的にCOVID‐19を踏まえてお伝え出来ればと思っています。
下の図は#1でも触れた売れる営業を4タイプに分類したモデルです。①や②の王道型トップセールスに加え、ヘルスケア業界では③や④のトップセールスさんも多く存在します。※細かい点は#1でご確認下さい。
「自分は製品の話はほとんどした事ない!」と堂々と主張された上で事実トップセールスの方もいます。”自分を売り込むセールスマン”と言う理想的な形だと思いますが。この先どうでしょうか
#2ではヘルスケア業界はBtoBoCモデルだともご紹介しました。企業と医療機関はビジネスパートナーと言う位置づけです。
だから医療従事者の多くの方は製薬企業のMRや、医療機器のレップに対して業者さんと言う意識で見ています。医師や看護師に物を売り付けて来てお金を請求するセールスマンと言う認識とは違います。
結果的にその様な企業の名刺を持って居れば医療従事者に簡単に面会出来ます。施設によっては毎日の様に会う事も可能です。
そう、会う事が出来る
これが③や④のタイプの営業さんをトップセールスにする条件と言っても過言では有りません。
感動の法則の一つの型として、単純接触回数を増やす事や、高いコミュニケーション力で医療従事者と仲良くなって関係性で自社製品を使用してもらう。これが③や④の営業さんの勝ちパターンです。
COVID‐19の影響
COVID‐19の影響が出る前から、製薬企業と医療従事者の密接な関係性がデータ改ざん問題として社会問題化したり、患者のプライバシーの問題で訪問禁止に成る等でヘルスケア業界の営業さんが医療従事者と面会する機会が減って来たのがこの数年のトレンドです。
そこに追い打ちをかける形でCOVID‐19が来たのが現在です。そうなると面会しようにも面会が難しい状況が続きます。
その結果、③のスーパーコミュニケーターや④のサブちゃんの様なタイプにとっては非常に不利な環境が訪れるかも知れません。また絶対王者的な①のハードワーカ―タイプにとっても持ち前のアクティビティーを発揮出来なくなります。
スモールマーケターがAfter COVIDに求められる姿
ヘルスケア企業はCOVID‐19によりマルチチャネル化を一層強めて行きます。他の産業ではマルチチャネルを統合したオムニチャネルが進んでいますので、今更マルチチャネルと他の産業界の方は思われるかもしれませんが…
企業はproductを開発して患者さんに使って貰い利益を上げる事、ヘルスケアに貢献する事が使命です。その為の手段としてCOVID‐19の状況ではMR以外のプロモーションチャネルの活用は当然取るべき戦略です。
他のチャネルと同列の人的販売チャネルのMRを選択するのか、他のマルチチャネルの特徴を把握し担当エリアに対するマーケティングを経てチャネルの最適化を提案し、マネジメント出来るMRに成るかが分かれ道です。
フィリップコトラーの言葉をご紹介します。
”マーケティングとは顧客を理解しそして顧客ごとの異なるニーズを見抜き究極的には販売活動(セリング)が不要に成る仕組みづくりである”
次回
#5「スモールマーケター 3つの要素」ヘルスケアマーケターの目~売れる営業編
スモールマーケターとしての営業さんについて深堀してお伝え致します。
トリプルの紹介
ヘルスケア業界でMR、新規事業開発、セールスマーケティングに従事。数多くのセールスマンとの関わり、MR研修やOJT等通じて実践的なトレーニングの経験も持つ。