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【聞く力 使えるフレーズ】 定性情報編:マーケティングリサーチ~

ヘルスケア業界に身を置くマーケター”トリプル“が様々なテーマに対して独自目線で分析して行くシリーズです。

マーケティングリサーチの実践型シリーズとして数回に渡り紹介しています。前回は《ノート術》でした。ノートの取り方なんて大して問題では無いと思われがちですが自分の型が有る事はとても大切な事です。ご参考まで

《ノート術》#2 マーケティングリサーチ「実践型シリーズ」~ヘルスケアマーケターの目~

今回はヒアリング術です。なぜヒアリングなのか

聞く力=解決力

この様に断言しても良いと考えています。

相手の困っている事、求めている事が解れば今の時代、世界のどこかに解決する方法は有るはずです。ひと昔前は高い技術力を持って、いち早く良い解決方法を作る=解決力だったかもしれません。結果として品質至上主義。提供者の立場で良い物を作る事が重要視されていました。結果として日本の製造業は世界から見てガラパゴス化して無いでしょうか。

ところで皆さん、「困ってますか?」と尋ねられてなんと答えますか

困っている事、課題を聞かれても具体的に答えられず。資金、仕事、家族、体調、など大きな言葉としてしか出て来無いのでは無いでしょうか?

現代社会では困り事は以前に比べ複雑化していて当事者でさえ意識出来て無い思考の深い所に有り、言語化出来てい無い事が多いのでは無いでしょうか?そんな仮説に基づき聞く力について触れて行きます。

筆者は仕事がら聞く事に当てている時間とエネルギーは多いと考えていますので少しそのエッセンスを披露致します。

聞く力は伝える力を引き出す事

初対面の相手と60分の面談をする際に。皆さんなら、何分間自分が喋る時間に当てるでしょうか?30分くらいと答える方が多いかもしれません。

筆者の理想は10分〜15分。と言う事は45分〜50分は相手に喋らせると言う事に成ります。

プロフェッショナルとして聞く事に集中する場合は8:2くらいの割合で相手に喋ってもらう様に意識しています。それは意図的に黙る様にしているレベルに成ります。

そもそも。伝える事は非常に難しい事で、短い時間で自分の考えを正確に伝える事が出来る人は割合としては少ないです。特に唐突な質問をされた際などは、一層伝える力が低下します。その結果が沈黙などの微妙な間として現れがちです。

そして、大抵の人は沈黙に耐えられずに沈黙を埋める為に相手の発言を待たずに先回りしたコメントをしてみたり、別の話に切り替えてしまって、相手がリズムを崩して更に沈黙が生まれる。その沈黙を埋める為にまた無駄に喋る。そんな負のサイクルを経験した事は無いでしょうか。

聞く力とは、何も喋り好きな人の話をニコニコしながら聞く事を言っているのでは無く、相手の伝える力を、短い時間で最大限引き出す事です。余談ですが、喋り好きな人の話を上手にハンドリングする技術も聞く力に有りますが、そのパターンはまたいつかの機会に。

8割喋らせるフレーズ

相手の伝える力を引き出す為には、相手の立場になって相手に関心を持って会話をする事が大切に成りますが、ここではGoodフレーズ、Badフレーズを軸にすぐに使えるテクニックをご紹介します。

Goodフレーズ

・〇〇と考えているけど、間違えて無い?

王道的な質問方法ですが、自分の事前調査や思考の形跡を示しながらその解釈に誤りが無いか確認する事でコメントを引き出しやすくする言い回し。これは非常に汎用性が高く知性も感じさせる為、「良い質問ですね」を引き出しやすいです。

・それは良い意味?悪い意味?それってどう言う意味?

相手のコメントが微妙な表現の場合は、先入観を捨てて相手の伝えたい事を正確に理解する為のフレーズ。応用としては「〇〇と言う事は、△△と□□に別れると思いますがどちらのニュアンス?」など、相手の言葉を因数分解して確認します。

・さっきのコメントからすると。〇〇?

先に会話の中で出て来たコメントを踏まえて、相手の思考パターンを汲み取った質問のフレーズ。余程、ズレた内容で無ければ相手は自分の話をちゃんと聞いて来れていると感じる為、共感を得たと思い話しやすく成る。

・それが有るとどんな良い事が有る?あなたにとって重要な事?

相手の表面的なニーズの更に深いニーズを相手に考えさせながら。同時に相手にとって重要な事かどうか考えて貰うフレーズ

・あなたが言っている事を、整理すると○○と言う事ですね

相手の言っている事のキーワードをオウム返しで繰り返す効果と、相手の伝えたい事をこちらがまとめる事で相手の考えがまとまり次のコメントを引き出す。

・その方が○○さんにとって安心感が高まるのですね?

相手のコメントから情緒的価値を確認する為のフレーズ。相手が思考の深い所で感じている事に問いかける事に成る。安心、楽しい、癒し、気楽、ホッとするなどに置き換えてもいいかもしれません。

・そんな中でいかがですか?

雑談やアイスブレイクからスムーズに本題に入り込む神フレーズ。世間話を軸に数分相手の近況や、社会の変化に関してコミュニケーションを取った中で自然な流れで本題に切り込める。「COVID19で患者さんの数が減ってねー。・・・・・そんな中で、貴院の新薬採用プロセスの変化はいかがですか?」

Badフレーズ

・でも、しかし、ただですね。

相手のコメントの後にこのフレーズを無意識に入れてしまう人がいますが、このフレーズを言われた途端に相手は伝える事に自信を無くす可能性が高く悪気は無いのに、印象を悪くしてしまいます。

・相手が言っても無い事を先回りして言う。〜と言う事ですね?

沈黙を待て無い、早く答えを知りたい、自分の予測を証明したいなどの理由で、質問をした後に少しの間を開けて。〜ですかね?と恐る恐るこちらの先入観を加えた回答を聞くケース。これは相手の本音を聞きそびれる事に成る

・尋問の様に多くの質問を繰り返す

特にYES/NOで回答できる質問をいくつも繰り返すと、尋問の様な空気が漂い相手がグッと疲れ始める。質問の柱は1〜3つくらいに予め定める事が理想

・いずれにしても〜

上手くまとめようとしているとしても、それまでの会話を台無しにする。極力使いたく無いフレーズ。使う場合は、対極する意見があり平行線で着地点が見えない場合や、自分の話が纏まりが無く伝わって無いと感じた時などで、お客さん相手には避けたい。

・ところで、さて

話題を転換するには良いフレーズ。一方で使いすぎると、会話が深まら無い。

聞く力は人ならでは

聞く力は言語化出来て無い思いを、共感力で引き出して相手に言語にして伝えさせる技術だと考えています。AIや5Gなどハイテク技術がどれだけ発展しても人だから出来る事です。伝える力も技術として鍛える事で向上しますが、聞く力も同じく技術として鍛える事で高まります。相手の課題、ニーズが解ったら解決方法をマッチングするだけですね!

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ヘルスケア業界でMR、新規事業開発、セールスマーケティングに従事。数多くのセールスマンとの関わり、MR研修やOJT等通じて実践的なトレーニングの経験も持つ。

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ヘルスケア業界でマーケティングの仕事に従事しながら、ヘルスケア業界以外のビジネスにも関わっています。 医療現場起点のインサイトを集めてブログ記事にします。どうぞよろしくお願いします。