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【対医師向けWEB面談術①:2020年9月更新】〜ヘルスケアマーケターの目〜

【ヘルスケアマーケターの目とは 】 ヘルスケアマーケターのトリプルが最前線で得られる医療業界の最新の情報を基に、その時代に合った情報を独自目線で切るシリーズ型の記事です。 今回のテーマは「WEB面談術」 オンライン面談、リモートディテール、リモートコミュニケーションなど様々な呼び方で表現されていますが、ここで言うWEB面談は医療従事者(主に医師)に対してヘルスケア関連企業の方がオンラインツールを使って面談する事と定義します。3回に渡ってここでしか得られない情報を提供致します。早速始めましょう!

テーマ選定の背景

10年以上MRとしてのキャリアを経て来た筆者にとっても今年は衝撃的な年と言える。 COVID19により医療業界はウィルス対策にリソースを割かなくてはならず、感染リスクを最小限にする為、極力対人接触を避ける様な方向で医療の形が見直されようとしている。 勿論、関連するヘルスケア企業の方々も同様で馴れないリモートワークをこの3ヶ月実践されて来たのではないだろうか?MRの皆さんはただでさえ、2019年に製薬協コンプライアンス・プログラム・ガイドラインが制定され出来る事が少ない中、医療従事者との面談が難しく成り誰しもがこれからのMRとしての仕事の形に考えを巡らせていると思う。 そこに特に大手企業を中心に昨年夏から導入が進んでいた「WEB面談」が注目を集めている。この記事を読んで頂いている皆さんも既に実践されているだろう。 本シリーズは筆者が独自に調査しそして実践する事で得た、ヘルスケア業界のWEB面談の傾向、WEB面談で求められるマインド、スキルを公開し、これから先の未来型MR活動を考えてみたい。

ヘルスケア業界のWEB面談実態

製薬企業、医療機器企業、その他ヘルスケサービス企業など一言にヘルスケア業界を語る事は難しいが、独自のネットワークでこの2ヶ月間に下記の様なヘルスケア企業に務めるビジネスマン33名に匿名のアンケートを実施した。 ・製薬企業 12社(13名)・医療機器企業 2社(3名)・その他ヘルスケア企業 1社(4名)・詳細不明(13名) 5月下旬時点の情報では有るが50%の企業でWEB面談を実践済み。40%の企業でWEB面談の実装準備段階で有る事が解った。一部のデータでは有るが多くの企業で医師との面談にオンラインを取り入れる傾向が確認出来た。外資と内資で見ると外資の方が先行して導入している。 また、WEB面談の際に活用するサービスとしては下記の様な傾向が見えて来た。ZOOM、Teams、Skype、WebEXの様なヘルスケア業界に限らず現在多く使われているサービスで67%と他業界同様に高いシェア。そこにVeeva、Kardrigeの様なヘルスケア業界ならではのサービスも確認出来ている。

ヘルスケア業界のWEB面談の特色

ヘルスケア業界のWEB面談の特色は、面談の対象が主に医師や看護師などの医療従事者で有ると言う点だろう。COVID19の対応で日々気の抜けない医療従事者達とWEBで面談するチャレンジは簡単では無い。その点はどの企業も共通する。 一方、製薬企業とその他の企業では重視する要素に差が有る事が見えて来た。具体的には製薬企業の場合、コンプライアンスの観点から前述したガイドラインに抵触しないプロモーションを担保する必要が有り、医療従事者に提示出来る情報は事前に添付文書をベースにした限られた内容で準備し、その範囲を超えて提示出来ない仕組みにする必要が有るなど安全面を重視している。医療機器企業ではデバイスのトラブルやオペ等のサポートの観点から簡便さ、スピード感などユーザビリティーを重視している傾向が伺えた。 また、目的はこれまで対面で実施して来た様な事を手段としてオンラインで実施している為、対面型の面談の代替機能としては十分に成り立つと思われる。※WEB面談主要目的の傾向↓

対面型を上回る利点

WEB面談はこれまでの対面型の面談に対する代替手段としては問題なく、各社導入するサービスの違いは有れど拡大すると想像出来る。 しかし、対面による医療従事者との面談が出来ないからWEB面談を代替手段として取り入れる。その様な意識が強いので有ればそれは改めるべきかもしれない。 調査の結果、WEB面談が対面型の面談を上回る利点が具体的に見えて来た。例えば下記だ ・ コスト 最も想像しやすいだろう。活動経費の観点で見ても1日のMR活動で数万円のコストをかける事はザラでそれが当たり前と成っていた。コスト削減効果は圧倒的だと思われる。 ・ 時間 時間もコスト同様、移動に割く時間、医療従事者を待つ時間など実質的な稼働時間以外の時間を短縮出来る。また医療従事者も勤務時間外のリラックスした状態でPC画面に向き合い面談可能な為、面談可能な時間が広がる。筆者も今までにない医師の自宅からの面談を経験している。 ・ 面談の質向上 対面の場合に比べ、明確な目的と準備が無ければ医療従事者に面談の打診が難しく、また承諾も得難い点から。WEB面談に向き合う準備に差が出ると思われる。フラリと医療機関を訪れて内容の薄い面談を乱発している状況から、頻度は減るにしても一回の面談の質が高まると考えられる。 ・ 医療従事者にとっても聞き易い 意外かもしれないが医師の反応としてWEB面談の方が内容が入ってくると言った意見が多数有る。実際、筆者も医師からWEB面談の方が聞く体制が整いやすい、スライドに集中しやすいなどの意見を直接貰っている。 ・ 医療従事者の反応を可視化出来る オンライン面談のサービスによっては投票機能や、アンケート機能が有る。その機能を駆使すれば医療従事者の反応を可視化して確認する事も可能だ。 ・ 本社スタッフなどのマルチチャネルを駆使し易い マルチチャネルの活用は一層重要になる。MSLやマーケティング、開発なども医療従事者に対するチャネルの一つと考える必要が有るが、その様な立場の違うスタッフを同時に集めて面談が容易で今までに無い効果的なオムニチャネル面談が出来る。

まとめ

WEB面談は対面型の面談を補う手段としてこのCOVID19の中で確実に拡大している。しかし、一部の企業はCOVID19の前からWEB面談の利点を認識しており積極的に導入していた。 WEB面談は今後、対面型と使い分けられながら進化して行くと考えられるがWEB面談の場合、対面型以上に高いビジネススキルを求められる事は想像に難しくない。 実際に筆者の分析ではこの2ヶ月間の間に、企業格差、社内格差が生まれている事を目の当たりにして来た。 では、どうすればWEB面談を有効に活用出来るのか?次回はその点に関して面談術として展開して行きたい。 次回 【業界最速】(中)実践!対医師向けWEB面談術 〜ヘルスケアマーケターの目〜
オムニチャネルとスモールマーケター型のMRに関して 過去の記事 #5「スモールマーケター 3つの要素」ヘルスケアマーケターの目~売れる営業編
  トリプルの紹介
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ヘルスケア業界でMR、新規事業開発、セールスマーケティングに従事。数多くのセールスマンとの関わり、MR研修やOJT等通じて実践的なトレーニングの経験も持つ。  
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トリプル
ヘルスケア業界でマーケティングの仕事に従事しながら、ヘルスケア業界以外のビジネスにも関わっています。 医療現場起点のインサイトを集めてブログ記事にします。どうぞよろしくお願いします。