ヘルスケア業界に身を置くマーケター”トリプル“が様々なテーマに対して独自目線で分析して行くシリーズです。
前回、コロナ後のヘルスケア業界の特にセールスの形について述べました。結論としてタイプ②スモールマーケターを目指すべきともお伝えしました。
目次
オムニチャネル時代の到来
顧客の購買行動を”AISASなどで表す事が有ると思います。ご存知ない方はググって見てください。
マルチチャネルはAISASで言う初期の注意、興味、調査段階で多様なチャネルを設ける事で、顧客が購買行動に出る確率を高める事です。しかしそれぞれのチャネルが独立した物として考えます。更にオムニチャネルに進むと更なる情報収集にはその他のチャネルを同時に複数活用して理解を深め、最終的な購買行動へと移行して行くと考えます。
企業は顧客がどのチャネルをどの様な経路で活用して購買に至ったのかログを取り購買行動を自社製品モデルで分析し更に効率的なプロモーションを展開するのです。
ヘルスケア業界も例外では有りません。ヘルスケア業界にオムニチャンスを当てはめたイメージ図が上のチャートです。ここにリモートディテールの要素が加わる事に成ります。※トリプル作成
この図を見ればMRが複数有るチャネルの一つに過ぎない事が理解頂けると思います。オムニチャネルのプロセスを例にするとこんな感じでしょうか。
医療系ニュースサイトでたまたま新薬情報を見た→薬剤部に問い合わせ→MRに説明要請→詳細な説明に本社MSLと訪問→医師専用プラットフォームで同業者の使用感を確認→処方→評価
医療従事者:Healthcare Professional(以後HPC)にとってMRが唯一無二の情報チャネルだった10年以上前の状況と違う事をまず理解する事が大切です。企業側からすれば限られるリソースを何処に投下するのか?と言うとまだ不充分なチャネルの拡充でしょう。
だからと言ってMRがHPCにとっての最重要チャネルで有る事はこの先も大きくは変わらないと考えます。#2「BtoBtoC」編でお伝えした通り一般製品とは明らかに違うヘルスケア業界
#2「BtoBtoC」ヘルスケアマーケターの目~売れる営業編
◯天や◯mazon、でワンクリックで商品を購入して気に入らなければクーリングオフ!なんて訳には行きません。生命関連業種の強みでも有ります。とは言え、MRは厳選され高いレベル感を求められる事になるでしょう。繰り返しに成りますがその求められる形がスモールマーケターだと言う事です。
スモールマーケターの3要素
そんなオムニチャネル時代のヘルスケア業界。一般製品とは最適な形は異なるでしょう。だから筆者自身も現在進行形で研究を続けます。ですが現時点の筆者の考えるスモールマーケターの3要素をお伝えします。
その1 情報収集
市区町村、2次医療圏単位での医療体制や地域医療連携推進法人に関する情報。医療機関の経営面の重要な指標。製品の市場シェア、院内シェア。院内のステークホルダーの関係性、ディシジョンメーカーの存在。人事、スタッフ募集の状況などでしょう。MRの業務範疇を明らかに超えるレベル感かも知れませんがこの様な事こそ現場に居るマーケターだから出来る情報収集です。これを限られる訪問機会の中で効率的にやるのです。
その2 分析
情報収集したらありがちなのがすぐに打ち手を考えて行動に移すケースです。セールスパーソンにとっては行動力が何より大切ですが、スモールマーケターの場合は先ず優先度の高い課題を抽出して今取り掛かるべき課題に対してリソースの選択と集中をしなければ成りません。
その3 効果判定基準
分析の後に打ち手を選択して実行しても必ずしも効果が有るとは限りません。ダメなら執着せず違う方法にチャレンジするフットワークが大切です。その場合の効果判定基準が有る事が大切です。また、上司や同僚、本社スタッフなど第3者にとってもわかり易い事が大切です。筆者の場合は顧客エンゲージメントを定量化する独自の分析方法を用いて判定していました。現場を離れた今もそのメソッドはあらゆる面で応用しています。
次回 情報収集の3項目
#6「情報収集」ヘルスケアマーケターの目~売れる営業編(MR)
トリプルの紹介
ヘルスケア業界でMR、新規事業開発、セールスマーケティングに従事。数多くのセールスマンとの関わり、MR研修やOJT等通じて実践的なトレーニングの経験も持つ。